頻尿の対策には、自分で改善できるものと、病院(専門医)での治療が必要なものがあります。
ここでは、自分で改善できるものについて述べていきたいと思います。
まず、頻尿の原因は、
水分の過剰摂取(多飲)や、
利尿作用のある飲み物や食べ物の摂取による多尿(尿量が多いこと)、
寒さや冷え、
過活動膀胱(OAB)、
残尿(排尿後に膀胱の中に尿が残ること)、
膀胱炎・前立腺炎などの尿路感染症、
尿路結石症、
膀胱癌や膀胱周囲臓器の腫瘍、妊娠子宮による圧迫、
心因性、認知症などがあります。
ここでは、赤字に記したものについての頻尿対策を記していきます。
目次
水分の過剰摂取による頻尿対策
まず、単純な水分の過剰摂取=多飲による頻尿は、飲水量を適正にすることで改善します。
1日の正常な排尿量は1,500~2,000mLなので、排尿記録を付けながら、飲水量を調整するとよいでしょう。
利尿作用のある飲み物に対する頻尿対策
利尿作用のある飲み物の代表格はお酒(アルコール)です。
適度に酔うと眠気を催すことから、寝酒として就寝前に飲む人が多く見られますが、実はアルコールは睡眠にはよい影響はありません。
少量のアルコールでは、確かに寝付きはよくなりますが、アルコールの量が増えると、睡眠の質が悪くなります。
睡眠前半では深い眠りが得られますが、後半は眠りが浅くなり、夜中に目覚めることが多くなります。
これに、アルコールの利尿作用が加わるため、目覚めるたびに排尿する、逆に排尿のために目覚めるということが多くなり、夜間頻尿となります。
夜間頻尿が気になる人は、晩酌は程々にしておいた方がいいでしょう。
アルコール以外では、コーヒー、緑茶、紅茶などのカフェインを多く含む飲料、カリウムを多く含む果物や生野菜は利尿作用があるため、大量に摂取すると、多尿による頻尿となります。
このような飲み物、食べ物の摂取は、日中のうちに済ませ、夕食時や寝る前には控えた方がよいでしょう。
寒冷時の頻尿対策
寒冷時の頻尿は、ある意味仕方のないことですが、体の保温に務めることで予防できます。
冷え性の人は、これを改善することで頻尿も改善する可能性が高いですが、冷え性自体がなかなか治りづらいものであるため、なかなか難しいのが現状です。
運動やストレッチ、衣類による保温、冷暖房の調節、入浴、半身浴、足浴(足湯)、体を温めるような食べ物・飲み物の摂取(逆に体を冷やすものは摂取しない)、冷え性に効く漢方薬の服用などが効果が期待できます。
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過活動膀胱の頻尿対策
過活動膀胱が原因の頻尿については、専門医による治療が必要な場合がほとんどですが、自分でできるものとしては、膀胱訓練があります。
これは、尿意を感じた時にすぐにトイレに行かず、少しの間我慢して、膀胱に溜まる尿量を増やす訓練です。
心因性頻尿にも効果が期待できます。
よく、尿を我慢すると膀胱炎になるからよくない、と言われますが、それは何時間も(4時間以上)我慢する場合であって、膀胱訓練のように、頻尿の人が数分~十数分我慢することは、全く問題ありません。
なお、膀胱訓練は、膀胱炎を起こしている場合、前立腺肥大症などで残尿が多い場合は禁忌です。
骨盤底筋体操も頻尿に効果があると言われていますが、患者さんを見ていると、長続きしない人が多いです。なので、実際のところ、効果は?です。