「おしっこに行く回数が多い」「おしっこの量が多いような気がする」などの排尿に関する悩み、疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか?
中でも、夜間の頻尿に悩まれている方、そして女性の方が頻繁にトイレにいくことに対して羞恥心を持っているなどよく耳にする話です。
まずは、一般的に言われている正常な排尿回数や量を知り、次に自分自身の排尿回数や量も記録につけることをおすすめします。
自分で気にしているほど、実際には頻尿というほどの量や排尿回数ではなかったということもあります。
目次
頻尿時の1日排尿回数と尿量
尿が近い、排尿回数が多いことを「頻尿」と言いますが、医学的には「朝起きてから夜寝るまでの間の排尿回数が8回以上の場合」と定義されています。
なお、「就寝中に1回以上排尿のために起きなければならず、そのために日常生活に支障をきたす状態」を夜間頻尿と言い、昼間頻尿と区別して定義されます。
正常なヒトの膀胱容量は200~300mLで、1日の正常な排尿量は1,500~2,000mLと言われているので、単純に割り算すると、1日5~7回が正常な排尿回数という訳です。
飲水量が増えると尿量が増えるため、1回排尿量が正常で、1日総尿量と排尿回数が多い場合を多尿(多飲多尿)と言います。
多尿とは…
「多尿とは1日尿量が3Lを超える状態」と書かれているサイトが多いですが、年齢や体重によって差がありますので、「1日尿量が体重1kgあたり40mL以上」が、多尿と定義されます。(国際禁制学会用語基準)
例えば、体重50kgの人であれば、40mL×50で、2,000mL以上が多尿となります。
ちなみに、正常な尿量は、1日1,000~2,000mLです。
なお、医療現場での膀胱容量を見てみると、これは若い女性に多いのですが、400~500mLあるいはそれ以上溜められる人はざらにいます。
そのような人は1日の排尿回数が3回など、極端に少なくなって、膀胱炎の原因になったりします。
一般的に、自分の1回尿量や1日尿量というのが具体的に何mLなのか、正確な値は感覚的に分かるものではありません。
自分で多いと思っていたのが実際は少なかったり、またはその逆であったりというのは、よく見られることです。
排尿記録を付けてみましょう
自分の頻尿が、多飲多尿によるものなのか、多尿ではない本物の頻尿なのかは、排尿記録を付けてみると一目でわかります。
以下は実際の診療で使っている排尿記録です。
通常は、任意の3日間の記録を付けてきてもらっています。
画像の記録用紙には水分という欄がありますが、実際には飲水量はチェックしません。
尿量を見れば、飲水量が推定できるためです。
この記録を付けることで、1日の排尿回数、1回の排尿量、1日の尿量、どの時間帯の排尿回数・排尿量が多いのかがわかります。
単純な多飲多尿は飲む水(飲料)の量を減らすだけで改善しますが、多尿ではない「本物の」頻尿は、泌尿器科専門医による診断、治療が必要となります。
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