認知症に効果があるサプリメントとしてよく知られているのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)だと思います。
これらのオメガ-3(ω-3)不飽和脂肪酸は、脳細胞を活性化する作用があるばかりではなく、特にEPAでは、いわゆる血液をサラサラにする効果、抗酸化作用、抗炎症作用を併せ持っていて、さらに癌細胞の増殖抑制作用があるとされています。
また、当ブログでは以前、認知症に効果があるとされているロズマリン酸をご紹介しました。
さて、今回ご紹介するのは、ドイツのAnalyze & realize社のMargret I. Moré氏らの研究グループが、2014年11月にAdvances in Therapy誌に発表した研究結果です。
目次
2014年11月ドイツの研究グループによる学術論文
原著:Positive Effects of Soy Lecithin-Derived Phosphatidylserine plus Phosphatidic Acid on Memory, Cognition, Daily Functioning, and Mood in Elderly Patients with Alzheimer’s Disease and Dementia
Margret I. Moré, Ulla Freitas, David Rutenberg
Advances in Therapy, December 2014, Volume 31, Issue 12, pp 1247–1262
(邦訳:アルツハイマー病および認知症高齢者における記憶、認知、日常機能、気分に対する、大豆レシチン由来ホスファチジルセリン+ホスファチジン酸の改善効果)
大豆由来ホスファチジルセリンとホスファチジン酸を配合したサプリメントの有用性を検討
この研究グループは、大豆レシチンより生成したホスファチジルセリン(PS)とホスファチジン酸(PA)を配合したサプリメントの有用性を検討しています。
ヒトにおける臨床試験の結果、このサプリメントは、アルツハイマー病や認知症を患った高齢者において、記憶、気分、認知機能、日常機能を改善する有益な効果があることがわかりました。
ホスファチジルセリンとホスファチジン酸の投与量
論文の詳しい内容については、今回は省略しますが、このサプリメントには、PS 100mgとPA 80mgが含有されています。
ホスファチジルセリン(出典:ekouhou.net)
ホスファシジン酸(出典:ekouhou.net)
臨床試験で使われた投与量は、この3倍に当たるPS 300mg+PA 240mgでした。
臨床試験の結果
PS+PAサプリメントを投与した群ではプラセボ群に比べ、
・記憶力の有意な改善
・冬季うつ病の抑制
・日常生活機能の安定
が見られたということです。
ホスファチジルセリンとホスファチジン酸を配合したサプリメント
実際このサプリメントが販売されているのか調べてみましたが、全く同じものは残念ながら見つかりませんでした。
ただ、日本の某サプリメント販売サイトで、1カプセルにPS 100mg+PA 100mgが含まれたサプリメントを見つけました。
しかし、これは1ボトル90カプセル入り(30日分)で10,880円(税込)と高価なため、あまりおすすめしません。(なので、商品リンクは載せません。)
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ホスファチジルセリン単独のサプリメント
これに対し、ホスファチジルセリン単独のサプリメントは、国内外から多数販売されています。
その中でおすすめなのは、こちらです。
Jarrow Formulas, PS100, ホスファチジルセリン100mg, 120カプセル
これは1カプセルにPS 100mg含有、1ボトル120カプセル入り(40日分)で29.12米ドル(約3,000円)とかなりお得になっています。