発酵玄米(玄米酵素)はいろいろなメーカーから発売されている健康補助食品ですが、最近、前立腺癌を抑制する効果があるという研究結果が新聞で発表されていましたので、ここにご紹介します。
目次
発酵玄米、前立腺がんも抑制 名古屋市立大チームが立証
玄米と米ぬかをこうじ菌で発酵させた食品(FBRA)に前立腺がんの進行を抑制する効果があることが、名古屋市立大大学院医学研究科を中心とする研究チームの実験で明らかになった。研究チームはこれまでもマウス類を使った実験を通じて、大腸、肝臓、肺、膵臓(すいぞう)などのがんにFBRAが効果があるとする論文を発表しており、今後はがんの予防や進行を抑える仕組みの解明も進める。
実験は、FBRAに大豆などを加えた食品を販売している玄米酵素(札幌、鹿内正孝社長)の委託を受けて行った。前立腺がんを発生するよう遺伝子操作したラットに通常のえさとFBRAを混ぜたえさを与え、がんの進行具合に差があるかを比較した。その結果、FBRAを混ぜたえさを食べさせた方が、がんの進行を抑制できたという。
実験では、FBRAを混ぜたえさを与えたラットの方が、腫瘍の周辺で細胞死(アポトーシス)が活発になる傾向もみられた。研究チームは、がんの進行を抑制するメカニズムの一つとみており、久野寿也名古屋市立大准教授は「今後はどういうメカニズムなのかも解明していきたい」と話した。
発酵玄米が抑制するのは前立腺癌だけではない
発酵玄米=FBRAは、腸の健康、血圧低下、抗酸化作用、肝炎の抑制、そして各種癌を抑制する効果があると、「株式会社玄米酵素」のサテライトサイト「食と健康研究所ふぶらぼ」に書いてあります。
今回の新聞記事で、前立腺がん「も」と書かれていたのは、そのためです。
「食と健康研究所ふぶらぼ」によると、前立腺癌の他に、胃癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌、食道癌、膀胱癌、口腔癌、膵臓癌、癌細胞の肝転移、炎症性発癌を予防すると書いてあります。
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動物実験はされているが、ヒトでの臨床試験は行われていない
ここの内容を見ると、全てラットやマウス、ハムスターなどを用いた動物実験の研究結果のようです。
(画像出典:食と健康研究所ふぶらぼ)
普通の餌を与えた実験動物と、FBRAを混ぜた餌を与えた実験動物を比べ、癌の発生率の有意差を見ています。
(癌の種類によっては、FBRAを混ぜる割合が明記されていないものがあります。)
(画像出典:食と健康研究所ふぶらぼ)
その結果、どの癌においても、FBRAを混ぜた餌を与えたグループの方が癌の発生率が低かったということのようです。
食餌中のFBRAの割合
餌にFBRAを混ぜる割合は、明記されているものとないものがあり、明記されているものでは1.25~10%と書かれています。
これはおそらく重量比だと思われます。
1.25%が与えられているのは大腸癌の実験だけで、それは有意差がなく、有意差があるのは2.5%以上となっています。
それ以外の癌では5~10%、あるいは割合不明記となっています。
ヒトに換算した場合のFBRAの必要量は?
さて、それでは、癌を抑制するには、実験結果を単純にヒトに換算して、1日にどれくらいのFBRA(玄米酵素)を摂ればいいのでしょう?
「株式会社玄米酵素」の主力商品「ハイ・ゲンキ」は、1袋3.5gを1日3~6袋服用することになっています。
1日3袋=10.5gですから、これが1日の食事量の2.5%とすれば、元の食事量を計算すると、10.5÷0.025=420g、5%なら10.5÷0.05=210g、10%なら10.5÷0.1=105gとなります。
1日6袋なら、この倍(840g、420g、210g)になります。
あれ?1日の食事量としては少なすぎますね。
逆に言えば、もっと大量の玄米酵素を摂取しなければ、癌の抑制効果はないと言うことになります。
動物実験の結果はヒトに直結するものではない
ただ、動物実験の結果をそのままヒトに当てはめるわけには行きません。
実際、上記ウェブサイトにも「この結果は直ちにヒトに適応できるものではありません。」と明記されています。
もしかしたら、ヒトの場合は、動物実験の量よりも少なくて済むという結果が出るかもしれません。
いずれにしても、ヒトでの臨床試験を行ってもらいたいものだと思います。
玄米酵素商品のご紹介
なお、玄米酵素は上記の「株式会社玄米酵素」以外からも発売されていますので、いくつかご紹介しておきます。
万成酵素「ケンコウキン」
天然人「百式酵素」